砂の上の文字群2

つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。(このブログはメインブログの引っ越し予定地として作成したものです。内容は全く同じです><)

2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

夏への扉(ロバート・A・ハインライン 福島正実・訳 「世界SF全集12」(早川書房)収録)

いつもは一冊読んでから書くのだけど、もう一作の収録作(「人形つかい」)を読んでからだと印象が薄れそうなので、先にこちらの作品の感想だけ。 SF初挑戦!ということで、友達に薦めてもらった本の一冊。「夏への扉」というタイトルと、ハインラインという…

山椒魚 しびれ池のカモ(井伏鱒二 岩波少年文庫 岩波書店)

う、うーん・・・何と感想を述べていいのかわからない。とにかく、今あまり読みたいような話でもなかったみたい。 収録作は、表題に上がってるニ作のほかに、「オコマさん」と「屋根の上のサワン」のニ作がある。 「オコマさん」は、碌でもないバス会社に勤…

ベル・ジャー(シルヴィア・プラス 青柳祐美子・訳 河出書房新社)

三十歳でガスオーブンに顔を突っ込んで死んでしまった詩人、シルヴィア・プラスの自伝的小説。自らの自殺未遂の体験をもとに書かれたという。「ベル・ジャー」はガラスの覆い、の意だそう。 この人の映画がお正月に来るみたい。出来たら観に行きたいなあ。 自…

ドイツ幻想小説傑作集(種村季広・編 白水Uブックス 白水社)

ちょっと期待していた内容と違うのが多かったかな、という印象。 全体にちょっと話(とか言いまわし)が難しくて読みこなせなかった、というのもあるのだけど、幻想小説というより(幻想の衣を纏った)風刺小説の趣の強い作品が多くて、ちょっとそれが鼻につ…

ちくま文学の森8 悪いやつの物語(安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀 編 筑摩書房)

図書館で借りてみたら、表紙をはがされていた・・・(涙)もったいない。 ねずみ小僧のような痛快な人物が活躍するお話あり、間抜けな小悪党のユーモラスな話あり、本当にぞっとするような悪事の話あり、で楽しめる一冊。 ちくまのこのシリーズは、たいてい…

言葉は静かに踊る(柳美里 新潮文庫)

読書日記と、色々な作品の解説や感想を綴った文章から構成されている。「思う」だの「気がする」だの、印象論に堕している自分の読書日記が恥ずかしくなる一冊。 やっぱり、言葉に真摯に向き合っている人の読書日記は、面白い。この人の本は食わず嫌いでただ…

ブレーメン? 第五巻(完結)(川原泉 ジェッツコミックス 白泉社) 

うーむむむ、面白かったといえば面白かったのだけど・・・ ここのところの川原泉の作品は、いまいちパワーダウンの感を免れないような気がする。 薀蓄満載なところとかはあんまり変わっていないのだけど、なんかそれがすごく直接的にストーリーに組み込まれ…

日本の名随筆別巻86 少女(山田詠美・編 作品社)

こういう短いエッセイがいっぱいつまった本って、寝る前に読むのにぴったりだ。 「少女」に関するエッセイがいっぱい。(でも読んでるうちに、「少女」というくくりは気にならなくなってくる。)自らの少女時代の幸せな思い出(逆に、痛い思い出)を綴ったも…

ジョゼと虎と魚たち(田辺聖子 角川文庫)

短編八つ。 恋愛小説らしい恋愛小説、なんだか初めて読んだような気がします(別段避けてたわけでもないけど)。 それも、「大人の女の」恋愛小説。女の子、じゃなく、女、だなあ・・・正直、いまいちピンとこない。 面白いな、と思う表現やストーリーもある…

ことばの食卓(武田百合子・著 野中ユリ・画 ちくま文庫)

この人のエッセイ「枇杷」だけを何か別のアンソロジーで読んだことがある。ものすごく印象に残るエッセイだったのだ。亡き夫の思い出をいとおしそうに語っている、と思いきや、底の方にとってもひやりとするような部分があって、不思議な書き方の人だなあ・…