砂の上の文字群2

つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。(このブログはメインブログの引っ越し予定地として作成したものです。内容は全く同じです><)

2004-01-01から1年間の記事一覧

文化系少女?雑誌二冊読み比べ

久々に「spoon.」(プレビジョン)を購入したのですが、すぐ横に良く似たテイストを感じる雑誌を発見したので、どんなのかな?と思って一緒に買ってみました。その名も「Girlie」(アスペクト)。特集が「乙女の放課後」で、表紙が市川実日子だったのも手伝…

京都夢見小路(永田萠 東京書籍)

カラーインクの魔術師と称されるイラストレーター、永田萠の、夢の世界のようなイラストいっぱいのエッセイ集。一ページごとに、溜息をつきながら読む。きれ〜い。 小さい頃の影響って恐ろしいもので、この方の絵が好きだった両親が部屋にいっぱいカレンダー…

日本の名随筆 別巻84 女心(落合恵子・編 作品社)

日本の名随筆シリーズは、どれも味があって面白いなあ。全部読みたいけど、本シリーズと別巻合わせて200冊!・・・何年かかるんだ。 「女心」というタイトルに「?」と思って手にとって見たら、表紙にもクエスチョンマークの絵が書いてあった。 読む前は…

へんないきもの(早川いくを バジリコ株式会社)

カテゴリ分け、生物学で良かったのだろうか。「?」に入れておけばよかったような気もする。さもなければ、「ネタ」という新カテゴリを作るとか・・・(ぶつぶつ) 鮮やかな黄緑色に、シンプルに「へんないきもの」という題字がでかでかと並ぶこの本は、その…

図説 ユング 自己実現と救いの心理学(林道義 河出書房新社)

このシリーズの「フロイト」が結構面白かったので、一度読んでみたいなあ、と思っていた本。 ユングの、生い立ちからフロイトとの出会いと決別、無意識との対話や治療体験など・・・が図説とともに簡単に紹介されている。 んー・・・正直、この人の唱えた論…

ルー=ガルー 忌避すべき狼(京極夏彦 徳間書店)

京極夏彦ファンの方、そしてこの作品好きだった方、ごめんなさい(><)はじめに謝っておきます。 そして、できれば回れ、右してください(汗) 14歳の少女たちが主人公のこの作品は、今までの作品と違って近未来が舞台。完全に個人が管理され、人間は生…

外国風景(銀色夏生 角川文庫)

著者が旅をしながら何気なく撮った写真に、後日ちょっとした思い出を記した写真&エッセイ集。 小学生の絵日記風な文章は、きっとうけつけない人もいるんじゃないかな。ありえないような言い回しが時々挟まれてたりするし。意図的にそういう文章にするのか、…

エプロンメモ(大橋芳子・編著 暮しの手帖社)

素敵な表紙に惹かれて祖母の家から貰ってきた本。暮しの手帖社の本はどれも装丁が洒落ている。 奥付を見たら、「昭和五十九年 四刷」とありました。古い本なのね、と思っていたのだけど、こないだ某遊べる本屋さんにこの本が山積みになっているのを発見。そ…

魔法の国の旅人(ロード・ダンセイニ 荒俣宏・訳 ハヤカワ文庫 早川書房)

表紙があまりに綺麗だったので買ってしまった・・・。どんな繊細なファンタジーか、と思って。 繊細なファンタジー、というのではなかったけど、ユーモアいっぱいで楽しかった。 ある街の、とある小さなクラブ。そこ自体は決して、魅力的な場所でも何でもな…

無垢の力 〈少年〉文学表象論(高原英理 講談社)

図書館で借りたんだけど、ちゃんと自分で購入して本棚に置いておきたいなあ、と思った。 何度も読み直すため、と、少年(愛、をつけたほうが的確?)文学のガイドブック的なものとして。 弱く、可憐で非力な存在としての少年が登場する文学の数々をとりあげ…

生涯教育入門 改訂版(ポール・ラングラン・著 波多野完治・訳 全日本社会教育連合会)

図書館司書の勉強のために読んだ本。 えーと・・・とりあえず、あんまり読みやすい本ではなかったです。苦しい・・・ この本が出されたのは今から二十五年ほど前になるのかな?そのせい、というわけでもないんだろうけど、ちょっと読みにくい文章・・・。何…

ゴシックハート(高原英理 講談社)

面白かった〜!「少女領域」の著者の評論だからきっと読み易いに違いない、しかもゴシックときたら借りないわけには・・・と思って借りた一冊。満喫致しました。 本書は、ゴシック的なもの、ゴシックの精神に関する様々な要素について、詳しく書かれたもの。…

中原淳一エッセイ画集 しあわせの花束(中原淳一 コロナブックス80 平凡社)

乙女路線本、連続二冊。 好きなのです、この方の絵・・・。ほわん、とした、夢を見ているような上目遣いの女の子に、可愛らしさ全開の洋服。大阪にいるとき、展覧会を観に行って以来気になる絵描きさんの一人。 そんなわけで、本屋さんでこの本を見るなり、…

恋愛の国のアリス(嶽本野ばら 朝日新聞社)

何だかんだと文句をつけつつ、やっぱり好きなのかなあ、「野ばらちゃん」。久々に買っちゃったよ〜・・・ トランプに託して綴られた恋愛にまつわるエッセイと、タロットカードの大アルカナに寄せる、短いお話の数々。 この人のはやっぱりエッセイの時の方が…

草の花(福永武彦 新潮文庫)

本当に久しぶりに、文字を丁寧に追っかけて読んだ。一頁一頁繰るごとに、そこに書いてある言葉に考え込んでしまう、そんな本。 あるサナトリウムで、「私」は汐見茂思という青年と出会う。「私」は、どこか超然とし、他の患者とは全く雰囲気の違う汐見に友情…

阿房列車(内田百? 内田百?集成1 ちくま文庫)

阿房列車、というのは、内田百?曰く、なーんの目的もなく乗る列車のこと、らしい。 当然、仕事のためであってはいけないし、観光のためというのも駄目。ある意味、最高の贅沢旅行だなあ、本当に何の予定も作らず、列車に揺られていられるのって。 で、この本…

人形つかい(ロバート・A・ハインライン 福島正実・訳 「世界SF全集12」(早川書房)収録)

人間にとりついて意のままに操る宇宙生物(ナメクジのような姿らしい)と戦う人類の話、という話だとわかったときには、一度読む気が失せた作品。 だって、数限りなく作られてる映画と同じ話かと思ってがっかりしたのですよ。「地球の危機、人類の存亡のため…

空想科学読本 2(柳田理科雄 空想科学文庫 メディアファクトリー)

こちらも友達に紹介してもらった本。んーと、内容は、昔の特撮(あ、アニメもか)とかに出て来るヒーローとか、怪獣とかの必殺技や生態は科学的に可能なのか?ということを、あーでもないこーでもない、と検証していく本。 これは・・・トリビアの泉の検証シ…

夏への扉(ロバート・A・ハインライン 福島正実・訳 「世界SF全集12」(早川書房)収録)

いつもは一冊読んでから書くのだけど、もう一作の収録作(「人形つかい」)を読んでからだと印象が薄れそうなので、先にこちらの作品の感想だけ。 SF初挑戦!ということで、友達に薦めてもらった本の一冊。「夏への扉」というタイトルと、ハインラインという…

山椒魚 しびれ池のカモ(井伏鱒二 岩波少年文庫 岩波書店)

う、うーん・・・何と感想を述べていいのかわからない。とにかく、今あまり読みたいような話でもなかったみたい。 収録作は、表題に上がってるニ作のほかに、「オコマさん」と「屋根の上のサワン」のニ作がある。 「オコマさん」は、碌でもないバス会社に勤…

ベル・ジャー(シルヴィア・プラス 青柳祐美子・訳 河出書房新社)

三十歳でガスオーブンに顔を突っ込んで死んでしまった詩人、シルヴィア・プラスの自伝的小説。自らの自殺未遂の体験をもとに書かれたという。「ベル・ジャー」はガラスの覆い、の意だそう。 この人の映画がお正月に来るみたい。出来たら観に行きたいなあ。 自…

ドイツ幻想小説傑作集(種村季広・編 白水Uブックス 白水社)

ちょっと期待していた内容と違うのが多かったかな、という印象。 全体にちょっと話(とか言いまわし)が難しくて読みこなせなかった、というのもあるのだけど、幻想小説というより(幻想の衣を纏った)風刺小説の趣の強い作品が多くて、ちょっとそれが鼻につ…

ちくま文学の森8 悪いやつの物語(安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀 編 筑摩書房)

図書館で借りてみたら、表紙をはがされていた・・・(涙)もったいない。 ねずみ小僧のような痛快な人物が活躍するお話あり、間抜けな小悪党のユーモラスな話あり、本当にぞっとするような悪事の話あり、で楽しめる一冊。 ちくまのこのシリーズは、たいてい…

言葉は静かに踊る(柳美里 新潮文庫)

読書日記と、色々な作品の解説や感想を綴った文章から構成されている。「思う」だの「気がする」だの、印象論に堕している自分の読書日記が恥ずかしくなる一冊。 やっぱり、言葉に真摯に向き合っている人の読書日記は、面白い。この人の本は食わず嫌いでただ…

ブレーメン? 第五巻(完結)(川原泉 ジェッツコミックス 白泉社) 

うーむむむ、面白かったといえば面白かったのだけど・・・ ここのところの川原泉の作品は、いまいちパワーダウンの感を免れないような気がする。 薀蓄満載なところとかはあんまり変わっていないのだけど、なんかそれがすごく直接的にストーリーに組み込まれ…

日本の名随筆別巻86 少女(山田詠美・編 作品社)

こういう短いエッセイがいっぱいつまった本って、寝る前に読むのにぴったりだ。 「少女」に関するエッセイがいっぱい。(でも読んでるうちに、「少女」というくくりは気にならなくなってくる。)自らの少女時代の幸せな思い出(逆に、痛い思い出)を綴ったも…

ジョゼと虎と魚たち(田辺聖子 角川文庫)

短編八つ。 恋愛小説らしい恋愛小説、なんだか初めて読んだような気がします(別段避けてたわけでもないけど)。 それも、「大人の女の」恋愛小説。女の子、じゃなく、女、だなあ・・・正直、いまいちピンとこない。 面白いな、と思う表現やストーリーもある…

ことばの食卓(武田百合子・著 野中ユリ・画 ちくま文庫)

この人のエッセイ「枇杷」だけを何か別のアンソロジーで読んだことがある。ものすごく印象に残るエッセイだったのだ。亡き夫の思い出をいとおしそうに語っている、と思いきや、底の方にとってもひやりとするような部分があって、不思議な書き方の人だなあ・…

クラウド・コレクター〈手帖版〉雲をつかむような話(クラフト・エヴィング商會 ちくま文庫)

一回書いたものが消えるとものすごくがっかりするよね・・・なんだよ〜ばか〜。 「すぐそこの遠い場所」と併せて読むと一層面白い本。薄い紺と黒の二色刷りで、挿絵がとっても洒落ている。飾っておくだけでも愉しめるんだけど、それじゃ勿体無いので読んでみ…

迷へる魂(尾崎翠 筑摩書房)

ブログがリニューアルしたのはいいけれど、文字がちまちまして読みにくくなったなあ。投稿の仕方にもまだ慣れない。サイドバーはいい感じ、かも。 予想だにしなかった新刊。筑摩版全集から漏れている、尾崎翠18〜24歳までの作品集。 読んでみて、正直やっぱ…