砂の上の文字群2

つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。(このブログはメインブログの引っ越し予定地として作成したものです。内容は全く同じです><)

2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

蹴りたい背中(綿矢りさ 文藝春秋2004年三月号収録)

こっちはかなり好きだな、と思った作品。 中学校高校と、あまりクラスに馴染めなかった(この主人公ほど孤立していたわけではないけし、幸い良い友達にも巡り合えたのだけど)。グループに属するには嫌だったけど、ふとしたときのグループ分けとか班行動で、…

日本昔噺(巌谷小波・著 上田信道・校訂 東洋文庫 平凡社)

本が布張りだ〜!手触りが素敵・・・v 誰でも知ってる昔話を、巌谷小波の歯切れのいい文章で書き直し、その作品を集めたもの。後半の付録には、小波作のお話もあり。 紙芝居のおじさんに語ってもらいたくなっちゃうような、かっこいい語り口。格調高いという…

蛇にピアス(金原ひとみ 文藝春秋2004年三月号収録)

もう次の芥川賞が発表されているという頃に、例の二十歳の芥川賞の二人の作品を読もうというひねくれ者(笑)今更・・・ で、「蛇にピアス」。そうかこういう話か〜。うーん、想像力の回路を切っておかないと、痛くて読めない。それとこういう性的嗜好はまだ…

狂気の王国(フリードリヒ・グラウザー 種村季弘・訳 作品社)

1930年代のスイス。精神病院内で起こる失踪、殺人事件。それを解決すべく呼ばれたのが、名刑事(なのか?)シュトゥーダー。当初は単純な失踪だと思われていた事件は、どんどん嫌な感じになっていき・・・ というお話。 む・・・面白・・・かった・・・…

疲労とつきあう(飯島裕一 岩波新書)

父の本棚で発見。余程疲れていたのでしょうか・・・(汗) 疲労を溜めこみにくいタイプの人間の紹介、うつ病・神経症・心身症の詳しい説明から、睡眠のとり方やアルコール依存症の問題まで、「疲労」によりおこる様々な問題を取り扱った本。非常に興味深かっ…

図書館学テキストシリーズ9 参考業務演習(北嶋武彦編著 理想社)

参考業務の手順を、ツール紹介と実際の例題や演習問題で説明してくれている本。 わかりやすくてためになる。司書の勉強としても役に立つテキストだけど、文献探索法を身につけたい人にも良さそう。 それにしても、参考図書ってこんなにいっぱいあるのか〜。…

龍臥亭事件(上・下)(島田荘司 光文社文庫)

面白かった〜!!!(事件の凄惨さから言うと「面白かった」という表現はしっくりこないかな?)途中で本を置くことが出来ず、ぶっ続けで二冊、読み通してしまいました。事件と推理物としてのストーリーの面白さは、これまで読んだ中では一番かも、と思った…

パラサイト・シングルの時代(山田昌弘 ちくま新書)

自虐的な気分になって読んだ本。効果は絶大♪・・・・はは。うっかり「あはは〜もう私なんか消えちゃえ〜〜〜♪」という気分になりかける本ですので、このタイトルに心当たりのある人が読むには、それなりの覚悟が必要かと・・・。 今日の感想は醜いです。甘え…

マローンおばさん(エリナー・ファージョン作 エドワード・アーディゾーニ絵 阿部公子・茨木啓子訳 こぐま社)

手のひらサイズのちいさな絵本。ファージョンの詩に、アーディゾーニが絵を付けている。 マローンおばさんは、年老いた、ひとりぼっちのおばあさん。誰も、彼女のことなんか気にかけやしない。 ある冬の月曜日、おばさんのところに凍えたスズメがやってくる…

新 図書館学教育資料集成5 参考業務(伊藤松彦 教育史料出版会)

今やってる資格の勉強のために読んだ本。レポート指定の参考図書。 ん・・・と・・・。勉強のための本は読むのが大変ですね。集中力が続かなくて、すぐぼーっとニ三頁めくってたりするんですよ。そして慌てて見返す、の繰り返し(><)そして、横書きの本っ…

三好達治詩集(河盛好蔵・編 新潮文庫)

中盤ちょっぴり飽きてしまって、読むのにものすごく時間がかかった詩集。 これだけの量の作品を、一つの特徴で纏め上げるというのはおこがましい気もする。でもあえていうなら、この人は自分の実年齢や生きてきた年数に関りなく、常に人生の黄昏時から全てを…

お母さんが読んで聞かせるお話A・B(富本一枝・藤城清治 暮しの手帖社)

「暮しの手帖」という雑誌に連載されていた、藤城清治の影絵付きのお話を纏めたもの。最もお気に入りだった絵本です。十数年の時を経て再び開けてみる。 確かに、「お母さんが読んで聞かせる」本ですね。多分絵を見せながら、お母さんが本文を読み聞かせると…

理想の児童図書館を求めて トロントの「少年少女の家」(桂宥子 中公新書)

今後の勉強に、と読んだ本。多くのことを考えさせられた一冊。 本書は、まず筆者の恵まれた読書時代(学校図書館がとても充実していたらしい)、そしてカナダのトロントへの旅立ち、そこの児童図書館での日々、帰路見かけた他の図書館のこと、再びトロントを…

友情(武者小路実篤 新潮文庫)

タイトルと背表紙の解説だけでもう、「・・・読まなくていいかもしんない」と思ったのです。読み終わってなんとも嫌な気分になってしまいました。趣味じゃない・・・趣味じゃないよこういう話は。 話自体も全く興味を引かないのですが、出て来る主要人物が(…