砂の上の文字群2

つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。(このブログはメインブログの引っ越し予定地として作成したものです。内容は全く同じです><)

2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

花粉航海(寺山修司 ハルキ文庫 角川春樹事務所)

作者高校生の頃の作を中心とした、自選句集。タイトルにノックアウトされたのは、言うまでもありません。 寺山修司って、こんな素敵な作品つくる人だったのですか。本当にびっくりした。これまで読んだこの人の本って言うと(「青女論」とか、「両手いっぱい…

Bolero 世界で一番幸せな屋上(吉田音・著 坂本真典・写真 筑摩書房)

またまた、クラフト・エヴィング商會の本。これは、クラフト・エヴィング商會三代目夫婦(夫婦だったんですね。兄弟かと思ってた・・・何となく)の娘で、高校二年生の「音ちゃん」が書いた・・・ということになっているお話。そもそも、この音ちゃんが実在…

鍵(乃南アサ 講談社文庫)

ヒノキちゃんの紹介を受けて読んだ家族ミステリ。兄弟姉妹というのは、どういう存在なんだろう。どういう目でお互いを見てるんだろう?私は一人っ子なので、友達が兄弟の話をするたびに、そんな不思議な気分になったものです。兄弟がいなくて、淋しかったと…

新・ちくま文学の森11 ごちそう帳(鶴見俊介・安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀・編 筑摩書房)

「春さん蛸のぶつ切りをくれえ」・・・という、絶妙な(どこが、と聞かれると困ります)帯に惹かれて購入した本。大当たり。 食べ物を美味しそうにかく作家さんって、とても好きです。昔読んだ本で、他は忘れていても、そこに出てきた食べ物だけ鮮明に残って…

×××HOLiC二巻・三巻(CLAMP 講談社)

白兎さんから貸して貰った漫画の一部。一巻は買ってたのですが、なにぶんちと値段が高めで・・・(笑)装丁も凝り過ぎってくらい凝ってるよね・・・。 面白かったです。この作者さん(たち)の作品の中では、バビロンに次いでお気に入りかも。絵はこれが一番…

星三百六十五夜春

野尻抱影著、中公文庫。 いつ見てもこの方の名前、良いですねえ。うっとりしてしまう… 星を巡るエッセイ、三月〜五月編。星を見ても何座かさっぱり分からないワタシには、正直ちんぷんかんぷんな箇所も多いけど、随所にちりばめられた挿話が楽しい。日本の古…

エドガー=アラン=ポー怪奇・探偵小説集(1)(谷崎精二・訳 偕成社文庫)

ポーの短編集。収録作は、「アッシャー家の崩壊」「黒猫」「早過ぎた埋葬」「大うずまき」・・・など。「黒猫」や「早過ぎた埋葬」のような、あからさまにグロテスクな作品も相当怖いけど、持続力のある恐ろしさというと、話の展開がなんとなく不可解な「ア…

おじいさんのランプ―新美南吉童話集―(岩波書店)

表題作が目当てで読み始めたのですが、途中で、あ、これもこの人の作品かあ、とびっくりすること数回。叙情的な作品、ちょっとお涙頂戴的なお話(もうすこし言いようはないのか)のほかに、人間の本質をものすごく厳しい目で見据えてる作品を見つけて、意外…

わたしのねこカモフラージュ

昔から、子供に当たる大人って大嫌いでした。大人の事情、自分の重さを子供におっかぶせてどうしたいの? この作品中の「ママ」が、まさにそういう人。おかげで、読んでる間ずっとブルー…(涙)子供の戸惑いや悲しみが、個人的体験とリンクしてしまうのか(…

詩の好きなコウモリの話(ランダル・ジャレル作 モーリス・センダック絵 長田弘訳 岩波書店)

昼間のお日様の光が好きで、詩作の好きな変わり者の小さなコウモリの、なんだか可愛いお話。訳者も詩人さんですね。 自分の詩の理解者を求めて一生懸命なコウモリ君に、ちょっぴりきゅんとなる。そりゃ、韻がいい、なんて誉める鳥より、素朴な賛辞を送ってく…

チベットのものいう鳥(田海燕・編 君島久子・訳 岩波書店)

あるところに、双子の王子さまがいた。兄王子はとても聡明で、それを自負している。ところが、弟のほうはどうしようもない愚か者!この弟を教育すると嘘をつき、王からお金を騙し取った魔術師たちを、兄王子は怒って殺してしまう。これを諌められ、本当の賢…

しずくの首飾り(ジョーン・エイキン・作 猪熊葉子・訳 岩波書店)

そろそろ、読書の時間を減らさねばならなくなってきました。でも、毎日が教科書の無機質な活字に埋め尽くされるのは余りに悲しい(涙) というわけで、しばらく児童書を梯子することに。自分の部屋にあるのに、読んでない児童書が随分あることに気付きました…

東京異聞(小野不由美 新潮文庫)

途中で目が離せなくて一気に読みました。貸してくれたヒノキちゃん、ありがとう!!! やあ、面白い。文章がすっすっと入ってくる人ですね〜。落ち着いてる印象。お蔭で、ものすごいスピードで読めます。でもそのせいで、細部を流し読みしてしまっているとこ…

冥途 内田百集成 3(内田百 ちくま文庫)

絵入りで読んだ「冥途」のイメージを一度払拭するのに、やや手間取りました(汗)インパクトある絵だったからなあ・・・ 百さん(馴れ馴れしい)の小説は、「ノラや」などの随筆とはまた一味違ってて、それがまた新鮮。この巻には「冥途」を始めとして、何と…

Q&A 人体のふしぎ 黒板をひっかく音で寒気がするのはなぜ?(スティーブン・ワァーン・著 石浦章一・訳 ブルーバックス 講談社)

タイトルのまんまの本。 面白いなあ、そうなんだ!と思わせる箇所も結構出てくるのですが、 この本は、自分の中では「今年初の大ハズレ本」(怒)! 何がこんなに腹が立つかって、第二章の内容です。「誰かの脳から他の人の脳に記憶を注入できますか」「人間…

新語死語流行語(大塚明子・注解 イミダス編集部・編 集英社新書)

1986年〜去年までの、新語や流行語の解説で綴る日本。コラムや社会状況概説もあり。 読んでると不思議な空虚感が襲ってきます(汗)あ〜…およそ二十年前も、若者(私も含む)は 駄目駄目だったし、訳の分からない消費社会っていうのも同じなんだなあ…とか。…

ホビットの冒険(J.R..R..トールキン 瀬田貞二訳 岩波書店)

こんな本がうちにあったのか。十二年の時を経て開かれる本。 「指輪物語」の作者による、子供向けの冒険ファンタジー。ホビットのビルボ・バギンズ君は、平和と安息を愛する小人。それなのに、ドワーフ達の竜退治、宝物奪還の旅に巻き込まれる羽目になってし…

私の浅草(沢村貞子 暮しの手帖社)

「暮らしの手帖」、なんだかいい雰囲気の雑誌です。祖母が定期購読していたので、随分小さい頃から目にすることが多くて、遊びに行くたびに広げてたなあ。藤城さんの影絵童話が載ってるのが一番の魅力でしたが、他の雑誌とはちょっと違う手触りの紙に印刷さ…

リリス(G.マクドナルド 荒俣宏・訳 ちくま文庫)

文句なくお気に入り本に一冊追加のファンタジー。表紙の絵が、大きな振り子時計の扉を開けて、中を覗き込む幼児、というのに惹かれて買ったのですが・・・まさにその絵が示唆する期待と不安が詰まった物語。どんどん本の中へ引きずり込まれていきます。 お屋…

岩波ジュニア新書2 ベートーヴェンの生涯(山根銀二著 岩波書店)

タイトルから推察されるように、ベートーヴェンの伝記です。1979年発行か〜、ちょっと昔の本ですね。 ん・・・と。多分、この本はクラシックに詳しい人の方が楽しめるのではないかと思います。彼の経験する恋愛(どれもこれも実らないのですよ、かわいそう・…