砂の上の文字群2

つぶやいたり、描いたり。波に攫われる前の、ほんの一瞬。(このブログはメインブログの引っ越し予定地として作成したものです。内容は全く同じです><)

2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

笑うカイチュウ 寄生虫博士奮闘記(藤田紘一郎 講談社文庫)

いきものを扱った本って何て面白いんでしょう。理系さっぱりな私にも、生物系の本だけは楽しく読むことが出来ます。世の中にはこんな愉快な生態の生き物がいっぱいいるんだな〜よ思ったら、突発的に生物学者に憧れたりして。 とはいえ、科学的な説明部分は右…

ヴァンパイアの塔(ディクスン・カー 大村・高見・深町訳 創元推理文庫)

久方ぶりの推理小説。この本も借り物です。 小学校の頃読んだ以来です、海外推理文庫って。一時期、クリスティーにはまってて読み漁ってたのです。今もポアロやミス・マープは大好きな探偵です。どうも私は、推理の面白さや知的ゲームより、探偵や犯人の造形…

ちくま日本文学全集35 寺田寅彦(筑摩書房)

私は、力いっぱい文系人間です。そういうわけで、あまり理系の知識の入った文章を読むのは得意ではありません。数式なんか出てこようもんなら、「うぎゃ・・・!」・・・と呻きながら目を背けてしまいますし、理論がいっぱい述べてあるところは、大学の講義…

はいからさんが通る 一巻(大和和紀 講談社漫画文庫)

面白いですね!はいからさん、名前だけ聞いたことがあったのですが、どんな話か全く知らなかったのです。古い漫画だし、読むこともないだろう・・・と思ってたら、偶然借りる機会に恵まれて、今熱中して読んでます。 主人公が好き、という事態は私にとってと…

長野まゆみ二作・独断と偏見の感想

五六年ぶりに長野作品初期を引っ張り出す。誰も聞いてないけど、私は「初期の」長野まゆみが好きなんですっ(力説)。今回読んだのは、「少年アリス」・「野ばら」(いずれも河出文庫)。 やっぱりいいなあ、この過剰なまでの装飾文体と漢字の多用。すでにこ…

つむじ風食堂の夜(吉田篤弘 筑摩書房)

読み終えた本から引越しダンボールに積めているので、なかなか本棚が空きません。 残り二週間ほどで全部読めないのは確実・・・(汗) この本は、私がちょくちょく「好き!」を連発してる「クラフトエヴィング商會」のお話を書いてるかたが個人名義で書いた…

さよなら川西ヴィレッジ

ここのところ、少々緊張する本ばかり読んでいるので、今日は読書おやすみ。代わりに(?)学校帰り、川西にあるヴィレッジ・○ンガードに寄ってみました。 ・・・え?三月二十八日で閉店? 残念だあ。どのみち二十八には私はもうこの辺に住んでないのですが、…

シュナの旅(宮崎駿 アニメージュ文庫)

知人の猛烈なプッシュにより購入していた本を、やっと読む。うん、確かにいい本だったよ〜。 宮崎駿、といったら、わかりますよね。ラピュタとか、ナウシカの監督さんでございます。その人自らが描いた、絵本(一部漫画体裁)。チベットの民話を基にして書か…

不思議の国のアリス(ルイス=キャロル 矢川澄子・訳 金子國義・絵 新潮文庫)

やっぱり、何度読んでもこのナンセンスワールドは楽しいです。それに、矢川澄子さん好きなんですよ〜。創作作品もいいけど、翻訳も好き。この「不思議の国のアリス」も、いかにも女性らしい言葉回しで、かつユーモアたっぷりの表現があちこちに散在。昔他の…

二十歳の原点ノート(高野悦子 新潮文庫)

・・・これで高野悦子さんには一区切りつけよう。今日、梅田の古本屋さんを梯子して、ようやく発見。うっ500円・・・!そうか、ブッ○オフとは勝手が違うんですね。 これまでの二作とは違い、少し落ち着いた気持ちで読める。十四歳から十七歳までの、記録…

帰還 ゲド戦記 最後の書(ル=グウィン 清水真砂子・訳 岩波書店)

パニック。頭が恐慌状態。 こういう話になってるとは・・・かなりの衝撃を喰らいました。 あまりにも強い拒否反応が、私の中で起こってる。テヌーという少女に与えられた壮絶な暴力(これはもう、児童書じゃないよう)。テルーが感じる男達の蔑視、優越感、…

二十歳の原点(高野悦子 新潮文庫)

序章より、さらに重い気分に・・・ううっ。 感想は、序章に対するものとほとんど同じ。何というかまだ、ちょっと混乱してるところもあるのだけど、とにかく考えたことをメモ。 前作より、言葉にぎこちなさは減ったけど、時代思想の言葉の完全な借り物が増え…

二十歳の原点序章(高野悦子 新潮文庫)

エッセイではなく、日記です。二十歳で線路に飛び込んで亡くなった大学生の、日記。「二十歳の原点ノート」「二十歳の原点序章」「二十歳の原点」の三部作で、新潮文庫から出ていたようです。今は、最後のものしか売られてません。これも、古本屋さんでたま…

カッレくんの冒険(リンドグレーン 尾崎義・訳 岩波書店)

読書日記のデザイン、気付けば同じニワモモコさんのデザイン。画面上をクリックするとところどころ仕掛けがあるし、可愛い。 で、「カッレくんの冒険」。うわあ、過激。今回のは誘拐なんて生易しいものじゃないんですね〜。金貸しのおじいさんが射殺され、た…

サーカスの小びと(ケストナー 高橋健二・訳 岩波書店)

さて、これでしばしケストナーとはお別れか。 ポケットに入っちゃうくらい小さな、小人のメックスヒェン君。彼は、お父さんのように、また友達のように親しい魔術師「教授」の力を借りて、素晴らしい芸人になります。彼らは一躍時の人になり、サーカスの一番…

ちくま日本文学全集1 芥川龍之介

ぽつぽつと読んで、ようやく読了。 ほんとに、ちょっとしか読んでなくて作家の好悪って言えませんね・・。一口で纏めるには多すぎる作風の種類、と思ってしまった。お話を作るのが上手い人、というのはこういう人なのかもしれない・・・ これを読んだからと…

動物会議(ケストナー 高橋健二・訳 岩波書店)

うぬー、春らしくデザインを変更しようとしたら、ブログ欄が緑色。文字消しが出来ません。せめて灰色がよかった・・・。 ケストナー少年文学全集も、残すところ二冊。これはその一冊です。世界中で戦争が繰り返され、人間は会議を繰り返す。これに怒ったのが…

spoon.4月号

今回は、いつもよりは読むとこがすくないかな?特集は「春の乙女映画ガイド」。 乙女映画の必須条件、っていうのがイマイチわかりかねましたが、ちょっと見たい映画も発見。「ピーター・パン」実写と、「パーティー★モンスター」。「ピーター・パン」、なん…

卒業式まで死にません(南条あや 新潮文庫)

「南条あや」という女の子、生きていたなら23歳。殆ど管理人と同世代の彼女は、卒業式直後、自ら命を絶ちます。その彼女が、最後の三ヶ月をサイトの日記に綴った記録が、この本。 ここから先は、反転表示にしておきます。精神系の話題がどうしても受け付け…