2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧
名探偵御手洗潔をめぐる、短編集。 満足満足。冒頭の「IgE」があまり面白いとは思えなくてがっかりしてたんだけど、残りの作品で帳消しになりました。 推理ものとしては、「ボストン幽霊絵画事件」が面白かったんじゃないかな、と。ちょっとポーの「黒猫」…
久々の更新は雑誌です。「活字倶楽部」、今回の表紙はとても私好みの絵でした。硬質な表情の少女がこっちをぼんやり見ていて、背景には赤い月、お城、飛行船。烏が本を読んでいます。お話がいっぱい詰まっていそうな絵。 何と行ってもこの号で注目すべきは、…
どうやら母親がこの方の本、好きらしく。いつのまにかいっぱい本棚に並んでいたので、試しに読んでみる。 ふむふむ。 私は基本的に、「読書は自己研鑚のためにやるものだ」などと言われたら、たいていその人にいい印象は持たないのです。この本はまさにそう…
フランスのガリマール社、というところと提携して出されてる、世界文化史シリーズの一冊。 まず図版の多さに感動。ほとんどどのページにも写真や絵が入ってて、見飽きませんでした(ちょっと本文が読みにくいレイアウトだな、とは思いましたが)。コンキスタ…
再読。泉鏡花、明治期の作家の中でもっとも愛してやまない人です(そもそもこの時代の作家さんあまり知らない・・・)。 収録作は、表題作、「山吹」「多神教」の三作。いずれも戯曲です。 谷崎潤一郎を彷彿とさせる「山吹」、媛神のりりしさにうっとりして…
あ゛〜〜〜〜〜。「やった〜倉橋由美子の未読作品だ!もう手に入らないのが多いのよね、ラッキー」と飛びついた私が悪かったよ。せめて、後ろの表紙の内容紹介文を見て買えば良かった・・・。というか、読む前に「げ?」と思った段階で、読まずにおけばよか…
フォックスウッドの村は、動物たちが仲良く暮らす村。そこに住んでいる、ハリネズミとウサギ、ハツカネズミの子供たちは、仲良し三人組です。ボール遊びをしていたら、アナグマのオコリンボさん(これで、どういう性格のアナグマか想像はつきますね)のお店…
あまりにご大層な文庫名と出版社名にやや気圧されてしまいましたが、中身は普通に面白かったです。 タイトル通り、ケルトの民話を集めたもの。えーっとこれは、アイルランドのほうのお話が多いのかな?こないだここで取り上げた、フィオナ・マクロウドのスコ…
再びカリジェの絵本。お話もカリジェ自身の手によるもの。 スイスの山奥の村にある、一軒の小さな家。この家の側には、白樺の木と、古いナシの木と、メギのしげみがありました。メギは小さな花を咲かせる、とげだらけの低い木。白樺やナシの木に比べると見劣…
再々・・・々読?くらいかな。 何度も「もうこの人のは読むまい」と思うにもかかわらず、結局、私は嶽本野ばらがまだ好きなんだろうなあ。特にこの本は、時々無性に読み返したくなる。 初めて読んだとき、この人の美意識がものすごく排他的で、かつ狭量なと…
二組のカップルのトラブルがお話の始まり。ライサンダーとハーミアのカップルは相思相愛だった。だけど、もう一方のカップルの、ディミトーリアスが、自分の彼女ヘレナを捨てハーミアを追っかけまわしたから事態がややこしくなる。そこにもってきて、妖精王…
再読。四部作のうち、「月の輪船」「夜のプロキオン」の二作。 長野作品の中でもお気に入りの部類に属するシリーズ。頭の回転が速くて、ちょっと短気な(そして顔立ちの整った)宵里と、温厚で人がいいアビ、この二人の少年を巡るお話。は、鳩山郁子の挿絵が…
例によってタイトルと装丁に惹かれて買った(古本で、適度に古びて汚れていたのもまた良し)のですが、大当たり。期待以上でした。 いろんな星の住人たちの繰り広げる、なんとも間の抜けた、しかし楽しいファンタジー群。いやあ、出て来る宇宙生物たちの姿が…